2022年12月22日

感謝

「奇跡パート2」 杉中尚平(66) 産経新聞 朝晴れエッセー 
2022/12/16 朝刊一面掲載

 「四年前、96歳のお父ちゃんが医師から「最後の看取りの場所は病院か家かを考えてください」と告げられました。 「入院はしない」と病院に付き添った妹からラインが届き、堺市の実家できょうだい4人と両親の6人で貸布団を敷き詰めました。

 寝たきりだったお父ちゃんを元気を取り戻した様子を「奇跡」というタイトルで、朝晴れエッセーに取り上げてもらえました。 死のふちからよみがえったとき、100歳の記念式典を開催しようと夢のような話が持ち上がり、1年前にプロジェクトを立ち上げました。

 式典まであと2週間というときに、食べられなくなり、酸素飽和度も危険水域、医師から入院を促されましたが、長兄は、自宅で看病するからと入院を拒んでくれました。

 長兄夫婦の献身的な看病が功を奏したのか、式典の2日前に同じ医師が「熱も下がり、食欲もでてきた。 このタイミングはもうない。 ぜひやりましょうよ。 将来天国へ行ったときにみんなから祝福されたいい思い出何のころますよ。 それにしてもこんな100歳見たことない。 おめでとうございます」と言ってくれました。

 われわれは皆号泣です。 おやじの兄弟と4人の子供たち、8人の孫と9人のひ孫たち、配偶者全員、一人もかけることなく総勢36名全員集まることができました。 また再び奇跡が起こったのです。 机の中からお父ちゃんの殴り書きのメモが出てきました。

 「感謝をして生きてきた人は人に感謝されながら亡くなっていく」」



posted by Fukutake at 05:25| 日記