2021年09月22日

アランの幸福論

「アランの幸福論」 アラン 
 ディスカヴァー・トウェンティーワン 2007年

「168 苦悩を自分と切り離して考える
 たいていの人が生きていくコツを十分わかっていない。
 わたしに言わせれば、幸せの秘訣のひとつは、自分の不機嫌を気にとめないことだ。こうしてはねつけられた不機嫌は、犬が犬小屋に戻っていくように、本来の野生の状態に戻るのである。
 そして、これこそが倫理学のいちばん重要な部分のひとつであると、わたしは考える。つまり、自分の失敗や後悔、反省から出てくるいっさいの苦悩を自分と切り離して考えるのだ。
 「この怒りも時がくれば消えてなくなるものだ」と言おう。子どもが泣きやむのと同じで、怒りもすぐに消えてなくなる。」

 「182 上機嫌の種をまく
 明るいことばを、心からの感謝のことばを、ひとことかけよう。冷めた料理が運ばれてきても大目に見よう。
 この上機嫌の波に乗ればどんな小さな浜辺にでもたどりつける。オーダーをとってくれるウエーターの声の調子が違ってくる。テーブルの間を通っていく人たちの態度も違ってくる。こうして上機嫌の波動は、自分も含めたみんなの気分を軽やかにしながら、自分の周りに広がっていく。これには際限がない。
 とはいえ、始め方には細心の注意をはらおう。気持ちよく一日を始めよう。気持ちよく一年を始めよう。」

 「197 幸せな人だけ愛される
 まだ十分に力説されていないが、幸せであることは、他人に対する義務でもある。
 幸せな人だけ愛される。とはよく言われることだ。だがそれは、当然受けるに値する報酬であることが忘れられている。
 なぜなら、不幸せ、退屈、憂うつは、だれにだって、そこら中の空気の中にものだからである。そういったよどんだ空気を追い払ってくれる人たち −− ある意味で、その活気あふれる生き様をしめすことでみんなの活力を浄化してくれる人たちに対しては、わたしたちは感謝の気持ちと勝利の冠を捧げなければならない。」

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幸せは義務。

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posted by Fukutake at 10:06| 日記