2020年12月28日

一体何をしているのか

「戦国策」 近藤光男  講談社学術文庫 2005年

賢后 p38〜
 「斉王は使者を出して趙の威后に機嫌をうかがわせた。手紙の封を切らないままで、威后は使者に問われた。「作物も順調ですか。人民にも変わりはありませんか。王様にもお変わりはありませんか」。使者は不愉快に思って、「臣はお使いを仰せつかって威后さまのもとへ参りました。ところがいま、王のことをお尋ねにならず、まず作物と人民のことをお尋ねです。どうして卑しいものを先にして尊いものをあとになさるのですか」と言った。威后は言った。「そうではない。もしも作物が実らなかったら、どうして人民があろう。もしも人民がなかったら、どうして君があろう。ですから、本を捨て置いて末を問うことなどしましょうか」と。
 ここで進み出させたうえ、さらに尋ねた。「お国の在野の士で、鐘離子という者、元気にしていますか。あの人、その人柄はと言えば、食べ物のある者にも食べさせ、食べ物のない者にも食べさせる。着る物のある者にも衣服を与え、着る物のない者にも衣服を与えます。これは、王を助けて王の民を養っていることになります。それなのに、どうして今日までなんの官職も頂かないのでしょう。
 葉陽子は元気ですか。あの人、その人柄は、連れ合いを失った者に哀れみを掛け、みなしごや独り者の老人に恵み、貧乏にあえぐ者を救い、手もと不如意の者には補ってやります。これは、王を助けて王の民に安息を与えていることになります。それなのに、どうして今日までなんの官職を頂かないのでしょう。
 北宮の娘の嬰児子は、元気にしたいますか。佩の環も耳飾りも外してしまい、年寄るまで嫁に行かずに父母に孝養を尽くしています。これはまったく、民にお手本を示して孝の心を植えつけていることになります。それなのに、どうして今日まで朝廷にお呼びがないのでしょう。あの二人の士を仕官させず、この一人の娘をお召しにならぬようでは、何によって斉国に王となり万民を慈しみなさるのですか。於陵の子仲は、なお存命でしょうか。この人、その人となりはとえ言えば、上は王に臣として仕えようとせず、下は自分の家をほったらかしにし、中は諸侯に交わりを得ようともしません。これは、無用な人物となるお見本を民に示しているものなのです。どうして今日まで殺さずに置かれるのですか」。」
(一四六、斉下王建4)

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What is your King up to?
posted by Fukutake at 08:44| 日記