2019年12月02日

米英の愚行

「日米戦争を起こしたのは誰か」− ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず −

「ウェデマイヤー将軍の回想− 第二次世界大戦に勝者なし −
藤井厳喜 p183〜
 「… 米英の指導者の更に大きな誤りは、ドイツと日本を敵視する余り、ソ連を同盟国として扱い、ソ連共産主義の力を強大なものにしてしまったことである。ナチズムは民主国家とは相入れない思想ではあったが、その脅威はヨーロッパ大陸とソ連のみに限られたものであった。それに比して、共産主義の脅威は世界的なものであった。米英首脳はソ連を助け、共産主義の防波堤となっていた日独を潰す事により、第二次大戦後における共産主義の脅威を自ら作り出したのである。アメリカの指導者たちは、共産主義の脅威について全く無知であった。
 言いかえれば、冷戦という状態は、米英の指導者自らが造りだした自業自得の脅威なのである。ナチズムという地域的な脅威を取り除きはしたが、これを共産主義というより大きな世界的な脅威に取り代えただけである。アメリカは第二次大戦の勝利者にはなったが、アメリカの安全保障は、大戦前よりも一段と劣悪な状態となってしまった。核戦争の危機をはらんだ世界情勢は、主としてアメリカの国策が招いたものなのである。しかし、この事は国民の間に広く認識されていない。第二次大戦をアメリカが正しく戦っていれば、冷戦の恐怖は必要なかったのである。
 アメリカ軍首脳部は、兵力を集中して早期にノルマンディー上陸作戦を実施し、一気にドイツ中枢部に攻め込み、戦争を短期に終結させる腹であった。これは兵力の集中により敵の主力と軍需産業の中心地(ルール地方)を叩くという戦力の常道である。当初ノルマンディー上陸作戦は、一九四三年に実施される予定であった。ところがこれにしつこく、かつ強力に反対し続けたのが、チャーチルであった。チャーチルは地中海や北欧やバルカン半島やトルコなのどの周辺地域での攻勢計画を提案し続けた。軍事には全くの素人のルーズベルトはこの圧力に屈し、連合軍はイタリア上陸作戦を敢行する事に決定した。イタリア攻略は第二次大戦の勝利の為には全く無用の作戦であった。この無用の作戦の為に、ノルマンディー上陸作戦の実施は一年おくれて一九四四年にズレ込み、戦争は不必要に長びかされた。
 これは単に人的被害を拡大したのみならず、ソ連に東ヨーロッパからベルリンまで攻め込む時間的な余裕を与え、ソ連の勢力圏を拡大させるという戦略的に取り返しのつかないミスであった。」

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英帝国は瓦解し、米国はいまだにそのツケを払い続け衰退の途にある。
posted by Fukutake at 12:36| 日記