2019年11月07日

諸葛孔明

「晩翠詩抄」 土井晩翠作 岩波文庫 1930年

p34〜
 「星落秋風五丈原」  
(巻頭三節のみ)

祁山悲秋の風更けて
陣雲暗し五丈原、
零露の文(あや)は繁くして
草枯れ馬は肥ゆれども
蜀軍の旗光無く
鼓角の音も今しづか。
* *
丞相病あつかりき。

清渭の流れ水やせて
むせぶ非情の秋の声、
夜は関山の風泣いて
暗に迷ふかかりがねは
令風霜の威もすごく
守る諸営の垣の外。
* *
丞相病あつかりき。

帳中眠かすかにて
短檠光薄ければ
ここにも見ゆる秋の色、
銀甲堅くよろえども
見よや侍衛の面かげに
無限の愁溢るるを。
* *
丞相病あつかりき。

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諸葛孔明終焉の地(五丈原を詠む)

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posted by Fukutake at 09:51| 日記