2019年06月03日

プラトンの理想

「プラトンの哲学」 藤沢 令夫 著 岩波新書 1998年
 (その1)

 「哲人王」

 p119〜
  「… 『国家』において対話人物ソクラテスの口から表明された。

 「哲学者が国々において王となって統治するか、あるいは、現在王と呼ばれた権力者と呼ばれている人たちが、真正かつ十全に哲学するのでないかぎりーすなわち、政治的権力と哲学とが一体化されて、多くの人びとの素質が現在のようにこのどちらかの方向へ別々に進むのが、強制的に禁止されるのでないかぎりー親愛なるグラウコンよ、国々によって不幸のやむときはないし、人類にとっても同様だと思う」

 同時に、これが「哲学」「哲学者」についての世の通念から見ると。いかに非常識な提言であるかは十分すぎるほど承知しているということもまた、この前後に強調的に表明されている。特に対話相手のグラウコンはこの提言を聞いて、
 「たくさんのけっして馬鹿にならぬ連中が、上着をかなぐり捨てて裸になり、手当たりしだいの武器を摑んで、ひどい目に会わせてやるぞとばかり、血相を変えてあなたに向かって押し寄せてきますから、覚悟してくださいよ」
と大げさとも思えるような悲鳴を発する。

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posted by Fukutake at 09:11| 日記