2018年10月15日

侵略戦争とは

「共同研究 パル判決書(上)」 東京裁判研究会編 
  講談社学術文庫 1984年
(その2)

侵略戦争−犯罪であるか?

303p〜
 「本官(パル判事)は以上の問題の最初のものをまず取上げてみよう。便宜上、問題は四つの特定時期について考慮することができよう。

一、 一九一四年の第一次世界大戦までの期間。
二、 第一次世界大戦よりパリ条約調印日(一九二八年八月二七日)までの期間
三、 パリ条約調印日より本審理の対象たる世界大戦開始までの期間。
四、 第二次世界大戦以降の期間。

 右に挙げた四期間中の最初の第一期に関する限り。どんな戦争も国際生活における犯罪とはならなかったということについては、一般に意見が一致しているように見受けられる。ただし「正当な」戦争と「不正な」戦争との間に画然たる区別が存することはつねに認められてきたところであると、主張する人が時にはあった。国際法学者や哲学者の論説には、時としてかような区別をつける表現が用いられたかもしれない。しかし国際生活それ自体が、この区別を認知したことはいまだかつてなかったのであり、またかような区別が具体的結果を生ずることもかつて許されなかったのである。いずれにせよ、「不当な」戦争は国際法上の「犯罪」であるとはされなかったのである。実際において、西洋諸国が今日東半球の諸領土において所有している権益は、すべて右の期間中に主として武力をもってする、暴力行為によって獲得されたものであり、これらの諸戦争のうち、「正当な戦争」とみなされるべき判断の標準に合致するものはおそらく一つもないであろう。」

------
パル判事の祖国(インド)もイギリスにより侵略されていた。
posted by Fukutake at 09:17| 日記