2017年07月24日

お金は時間経過により劣化すべき

「エンデの遺言」ー根源からお金を問うことー 河邑 厚徳+グループ現代
 NHK出版 2000年

お金の常識を疑う

プラス利子のお金の仕組みがすべてではない

242p〜

 「…人類はつねにプラスの利子のつく貨幣システムで生きてきたわけではありません。例えば、いまエジプトは発展途上の国家です。ナイル河流域は砂漠です。ところが古代世界でエジプトは世界の最先進国であったわけです。ナイル河流域は広大な穀倉地帯でした。それが、なぜ今日のような状況にあるのでしょうか。実は、それを解く鍵がお金のシステムなのです。古代エジプトでは数千年にわたって、私たちがいま使っているようなお金のシステムとは別のシステムを持っていたのです。
 それは減価するお金のシステムです。当時、農民は穀物を収穫すると、それを穀物備蓄倉庫にもっていきました。そこで保管してもらうのです。その代わりに、納入した穀物量と引き渡し日が焼き込まれた陶片を受け取ります。この陶片は穀物の受領を証明するものですが、同時にお金としても使われました。
 これは倉庫に収められた穀物によって担保されるお金だったのです。当時穀物はネズミなどによる食害や保管費用がかかります。したがって、その担保物の減価率をそのお金も反映しなければなりませんでした。ですからマイナスの利子のお金であったわけです。そうすると農業者は、このお金を貯めておいても損ですから、別なモノの形で、自分の豊かさを維持しようとします。当時の農民は、そこで自分の豊かさを灌漑施設の整備や土地の改良にそそぎ込んだのです。豊かさをお金の形でもたず、自分たちに長期的な利益をもたらすものに投資したのです。しかがって、ナイル河流域は豊かな穀倉地帯となったのです。
 これはローマ人がエジプトを支配し、自分たちのお金の仕組み、それはプラスの利子の付くお金のシステムですが、それを強制するまで続いたといいます。しかし、そのシステムが終焉したとき、エジプトの繁栄も終わったのです。」
(中略)
 「ここで見られるのは、もしお金がマイナスの利子のシステムのもとにおかれるならば、社会が実現した富はなるだけ長期的に価値が維持されるようなものに投資されるということです。これと対照的に、プラスの利子の場合には、より短期の利益をあげるものへの投資が優勢になります。」

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その悪い例が、日本の林業だとして、日本の森が死んだことにつながったとエンデは説く。
posted by Fukutake at 09:00| 日記