「数の魔法使い」 R・イーストウェイ J・ウィリアム 軽部征夫訳 三笠書房(王様文庫)
誕生日がバラバラということ p114〜
「まず、子どもがふたりのクラスを考えてください。かりに、ひとりの子どもの誕生日が6月14日だとします。もうひとりの子どもの誕生日が違っている確率はどうなりますか?
もうひとりの子の誕生日が6月14日以外であればいいわけですから、残り364日から選べます。だから、ふたりの誕生日が違っている確率は364/365となります。
次に3人目の子どもを加えて、3人のクラスを考えます。この子が前のふたりと違った誕生日になるには、前のふたりが別々の誕生日でしたから、残る363日から選べばいいのです。したがって、3人目の子どもの誕生日が違っている確率は363/365となります。
4人目についても同様です。誕生日が違っている確率は362/365です。これを繰り返していけばいいのです。
子どもがひとり増えるたびに、誕生日が違っている確率はすこしずつ減っていきます。23人目の子どもがほかの子どもと誕生日が違っている確率は343/365になります。
このへんで中断して、23人の子どもが全部違った誕生日である確率を計算してみましょう。それぞれの確率を掛け合わせていけば計算ができます。
23人全員が違った誕生日である確率はーー
364/365 x 363/365 x 362/365 x……x 343/365=0.49
上の計算のように、23人のクラスで子どもの誕生日がみごとにバラバラ、一組も同じ誕生日が出ない確率は49%です。だいたい半分に確率で起こりうることになります。
それでは、「だれも同じ誕生日でないこと(確率)」の反対、すなわち51%とは何なのか、考えて見ることにしましょう。
そうです。これこそが、「同じ誕生日の子どもが少なくともふたりはいること(確率)」なのです。
多くの人にとって、この結果は信じられないものかもしれません。しかし間違いはありません。どうしても信じられない人は、近所の学校へご自分で出かけていってみてください。
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