2020年12月16日

イソップ童話より

「イソップ寓話集」 山本光雄(訳) 岩波文庫

 山羊と驢馬 p28〜
 「或る人が山羊と驢馬を飼っていました。山羊は驢馬の飼料の方が優っているので。それを嫉んで、君は臼をまわしたり、重い荷物を運んだり、きりもなく苦しめられ通しだ、と言いました、そして彼に癲癇のふりをして穴に落っこちて休養し給えと忠告いたしました。驢馬は山羊の言葉に従って穴に落ちて身体じゅう擦りむきました。主人は医者を呼んで来て驢馬を助けて下さいと頼みました。すると医者は主人に山羊の肺を煎じてのませると丈夫になると言いました。そこで彼らは山羊を犠牲にして驢馬を治しました。
(これは、すべて他人に対して悪計を企む者はかえって自ら自分の不幸を招く者になる、ということです。)」

 造船所のイソップ p32〜
 「寓話作者のイソップは閑な折に或る造船所へはいって行きました。船大工達が彼をからかって何か返答しろと迫りましたので、イソップは言いました。「昔々カオス(混沌)と水があった、ゼウスは土の元素をも出現させようとお思いになって、三度で海を飲み干すように土にお勧めになった。土はそれにとりかかると、先ず最初に山を現した。二度目に呑みこむと、平原さえも顕した。そしてもし土が三度目に水を呑みこもうと決意したなら、諸君の技術は役に立たぬものとなるだろう。
(この話は、自分より優れた人々をからかうものは、自分で気づかないで、その人々から自分のもとへもっと大きな悲哀を引き寄せるものだ、ということを明らかにしています。)」

 鼬鼠(いたち)と鑢(やすり) p73〜
 「一匹の鼬鼠が鍛冶屋の仕事場にはいりこんで、そこにおいてある鑢をべらべらと舐め始めました。したをひっきりなしにこすりつけたものですから、とうとう血が沢山流れ出て来ました。と、鼬鼠は心ひそかにその鉄から何かを取り除いたと思って喜んでいましたが、そのうち自分の舌をすっかり無くしてしまいました。
(この話は、他人と勝利を争って自分自身を亡ぼしてしまう人々に対して語られているのです。)」

-----
今に生きる教訓。
posted by Fukutake at 12:18| 日記