2020年12月15日

洒落者でも真面目

「徒然草 第三段」

「あらゆる点で非の打ちどころのない男でも、恋の情趣のなんたるかを理解できないような者は、まったく味もそっけもなく、玉で作った杯の底の抜けたのと変わらないような気がする。
 夜露や冷たい霜に濡れるのにもかまわず、深窓に住む美女を尋ねさ迷い歩き、親にウルサイ文句を言われたり、世間からとかくの噂を立てられたりしないように絶えず気をつかい、あちら立てればこちらが立たず、とんでもないところでシッポを出したりしないように、心配するのも一通りの苦労ではなく、それにしてもことがスムーズに運ぶことはまれで、ひとり寝をする夜が多く、思い乱れてまどろむ夜とてない−−このように、思うにまかせぬ恋、これこそが恋の真髄なのである。
 そうかといって、恋の道にまるで魂を抜かれてしまっているというのではなく、一本シンが通ったところがあって、“あの人やっぱり頼り甲斐のある人ね”と女から思われるようなのが望ましいのは言うまでもない。」(イラスト古典全訳 徒然草 橋本武 日栄社)

(原文)
 「万(よろず)にいみじく友、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉の杯の当(そこ)なき心地ぞすべき。
 露霜にしほたれて、所定めずまどひ歩き、親の諌め、世の謗りをつつむに心の暇なく、あふさきるさに思ひ乱れ、さるは、独り寝がちに、まどろむ夜なきこそをかしけれ。
 さりとて、ひたすらたはれたる方にはあらで、女にたやすからず*思はれんこそ、あらまほしかるべきわざなれ。」
(新訂 徒然草 岩波文庫)

たやすからず* 軽々しい者と思われない

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よう分からん。
posted by Fukutake at 09:59| 日記