2020年12月01日

孫子 九変篇

「現代語訳 孫子」杉之尾宣生 編著 日経ビジネス文庫 2019年
(その1)

(著者は、陸上自衛隊に三十年奉職、防衛大教授を経て、現在日本クランゼヴィッツ学会顧問、戦略研究家)

 著者は言う、「わが国の論者たちは、二十一世紀の今日に至っても敗戦前の帝國陸海軍たちと同様に、未だに「戦争を平和の対立項とし、戦争=武力戦」と考え、日本が自ら武力行使できないように法的に自縄自縛しておけば、平和維持できると幻想している。二五〇〇年前の孫武は、武力戦の非人道的、不経済、不条理、悲惨さを体験的に知悉するがゆえに、「生存。生き残り」を賭けて、「武力戦」の回避、抑止、そして万が一に武力戦に陥ったとしても、その短期化を志向する兵法書『孫子』を世に問うたのである」。
著者が『孫子』をまとめるならその総括は、「九変編」にあるとする。その「九変編」を以下に記す。

 P160〜
 「第八章 九変編
1 地形・地域の戦術的特性に応ずる
(1)孫子はいう。武力を行使するにあたって、主将は、君主の委任を受けて国民を動員し、軍隊を招集する。
(2)湿地のような不健康な地に部隊を宿営させてはならない。
(3)同盟軍の合流は、通信・連絡が容易で交通の便がいい要衝で行う。
(4)水源もなく草木もない不毛な土地には、長く留まってはならない。
(5)出口が塞がれ囲まれた、敵に包囲されやすい地形では、慎重に行動する。
(6)死地に陥ったならば、必死に戦う以外の方法はない。

 2 独断専行の奨励と限度
(7)軍隊は、通ってはならない道がある。(放置しておくべき)攻撃してはならない敵がある。(監視するだけに止め)行囲してはならない城塞都市がある。争奪の目標としてはならない土地がある。
(8)将師には、君主の命令といえども(戦術的な局面においては)実行する必要がない場合がある。

 3 戦況の多様性と変化に即応する指揮運用
(9)したがって、名将たる者は、このような戦場の多様性とそれが戦況に応じて変化する要因までを、完全に知り、臨機応変の対応ができなければならない。
(10)戦場の多様性と戦況の複雑な変化に即応できる、臨機応変の対応策に通暁していない将軍は、たとえ戦場の地形を知っていたとしても、これを生かすことはできない。
(11)作戦(戦闘)を指揮するにあたって、戦場の多様性と戦況の複雑化に即応する臨機応変の対応策を理解していない者は、たとえ他の利点を理解していたとしても、部隊を効果的に指揮運用できない。」

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(その2)に続く。
posted by Fukutake at 08:39| 日記

やっぱり

「英国人記者が見た 連合国戦勝史観の虚妄」 ヘンリー・S・ストークス 祥伝社新書 2013年

私欲の権化だった金大中 p174〜
 「私は一九八〇年春にソウルを拠点にして、東京と頻繁に行き来をした。金大中が人生でもっとも大きな危険にさらされていた時に、直接あって取材を重ねた私は、金大中を韓国民主化運動の中心人物として取り上げ、社説で、金大中はいかなる理由によっても、処刑されるべきではないと、論陣を張った。

 だが金大中という人物は、偽物だ。本物の人物ではない。詐欺師で、偽り者だ。いつも駆け引きをしている演技者だ。人々の気持ちを巧みに操る。哀れむべき人間だ。
 私も金大中の演技に。騙された一人だ。多くの韓国民も騙された。金大中の能力のすごさは、そうした詐欺行為がずっとバレることなく、続いたことだ。
 金大中の最大の犯罪は、民主主義を欺いたことだった。彼はこのことで、一度たりとも批判されたことがなかった。
 光州事件こそ、金大中の欺瞞をはっきりと示した。一九八〇年五月、金大中が誰よりも、その背景をよく知っていた。
 金大中が欲しかったのは、権力だった。彼はいつも自分の立場だけを、気にかけた。光州事件が勃発するなかで、金大中がもっとも心に留めていたのは、金大中自身であり、権力を握ることだった。
 光州事件から二十周年にあたった二〇〇〇年に、私が編者を務めた『光州暴動』がニューヨークの出版社から刊行された。事件を取した一〇人の欧米メディア記者と一〇人の韓国人記者が執筆した。
 この本によって、当時書けなかった事実が、日の目を見た。共同執筆者たちは、みな喜んで思いのままに振り返ってくれた。
 光州暴動の真の姿は“金大中暴動”だった。彼自身が民主化の旗手を装って、大統領になることを狙って暴動を嗾(けしか)けた事件だった。われわれジャーナリストも踊らされた。さながら、操り人形(パペット)だった。

 いまでも金大中は民主化を推進した英雄だと、広く信じられている。しかし、金大中は「善玉」ではなかった。いまにして悔やまれるが、光州では三〇〇人以上が虐殺された。市民だけでなく、兵士も殺害された。その責任は金大中が問われるべきだった。金大中の周辺にいた者は、みな金大中がどれほど世俗的な地位や金に重きを置き、一族の蓄財を目的にしていたかを、知り尽くしていた。金大中は骨の髄まで、腐敗していた。だが、蓄財より罪が重いのは、国家反逆罪に値する売国行為だった。大統領になるとすぐに、北朝鮮の傀儡であることを示した。私はジャーナリストして、ただ不明を恥じている。

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現政権と一緒。いつまで騙されれば気がすむのか。
posted by Fukutake at 08:36| 日記