2019年09月11日

三十億年間の問題を解き続けた虫

「虫展によせて」 

東京ミッドタウン 21_21美術館にて開催されている「虫展 (デザインのお手本)」(2019.7.19〜2019.11.4)への挨拶文

 「大人にとって、虫はどうでもいいもの、バカにされるものの一つです。でも子どもは虫が好きです。自分より小さいから、親近感が湧くののかもしれませんね。
 でも虫を見る面白さに気がつくと、やがてやめられなくなります。これをヘンだと思う人も多いでしょうね。でも一度、まさに虚心坦懐に見てみてくださるといいと思います。とても不思議だと思うようになり、惹きつけられてしまいます。
 虫が嫌いな人もいます。私はクモやゲジゲジが大嫌いですから、その気持ちはわかります。でも全部がそうじゃないんですよ。とくに細部を顕微鏡で見たりすると、ビックリするしかありません。
 私たちの感受性は、生きものの三十億年の歴史の中で育ってきたものです。自然を見て育ってきたのですから、その自然と調和しているはずです。
 木の枝に葉が付いています。あれはどういう規則で付いているのでしょうか。太陽は東から登って、ひたすら移動して、夕方には西に沈みます。その間に一本の木が最大限の日照を受けるには、葉をどう配列したらいいのか。いま見ている木の葉の配列は、その問題の解答じゃないんでしょうか。
 教育を受けていくうちに、子どもたちは考えることは問題を解くことだと思わされてしまいます。でも話は逆なんじゃないんですか。生きものには三十億年の間に、ありとあらゆる問題に直面しつつ、それを解いて生き延びてきた。その解答が目の前にある。私はそう思うんですね。見ているのは問題集の答えだけです。では問題はなんだったのか。そんなふうに思いながら虫を見てもらえると嬉しいと思います。」

企画監修 養老孟司」

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森羅万象の答えが目の前にある。
posted by Fukutake at 12:10| 日記