2019年08月07日

面白くなるまで仕事をしろ

「世界平和はナマコとともに」 本川達雄 
 阪急コミュニケーションズ 2009年

進路を決めかねている高校生へ

p230〜

 「「自分の好きなこと、おもしろいと思うこと、やりたいことをまず見つけよう。そして、それがやれるところに進学しよう」というアドバイスは、まじめに聞かない方がよい。
 おもしろいこと?バンドをやっていればおもしろい。漫画家や小説家もじつにおもしろそうだ。だから音楽学校や文学部へ行こう。ペットと遊んでいるとおもしろいから、動物学を勉強しよう。などと思っても、そういう職業で食べていける人は、ほとんどいない。
 世の中の仕事の大半は、おもしろいものではない。少なくとも、高校生が見ておもしろそうだと感じられるものではない。お金を自分でかせいで生きていくことは、おもしろいなどとは次元が違う話である。
 自分が高校の時におもしろいと感じたことを追求して、それを職業にするのが理想の人生なのだというアドバイスは、君たちをほとんど不幸に陥れる悪いアドバイスである。「好きなことをはっきりともっており、それを一生追求するのがよい人生なのだ」と言われてしまったら、私たち普通の人間はみな、自分は本当の人生を送っていないなあと、後ろめたい感情をもたされて生きていくことになる。これはたまらない。
 人生というものは、やっているうちに好きにならざるを得なくなるものだ。君たちはまだまだ人生のスタート地点。進路を選ぶ際に、かならずしもそれが好きである必要はない。
 一つだけ選択に関するアドバイス。「それを選んだら、自分は世の中に対してどんないいことがあるのか」と考えるだけでなく、「それを選んだら、自分は世の中に対してどんないいことができるのか」と考えて円卓してほしい。世のために働いていれば、人生は充実するし。のたれ死にはしないと私は信じている。」

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世の中の付託に応えることが人生
posted by Fukutake at 08:46| 日記