2019年06月10日

体を使わないことが幸せか。

「写真と図解 古武術で蘇るカラダ」−実践!今すぐできるー より
 TJMOOK 宝島社 2003年

 対談 「現代人よ、失われゆく身体を取り戻せ!」
  解剖学者 養老孟司 x 甲野善紀

p15〜
 人間らしさは体に宿っている。

 「…甲野:現在人は、単に便利さだけを追求するあまり、自分を壊してしまっていると思います。以前ならば、同じことでも場が変われば気分も変わるという例に、「普段は面倒くさい家事も、キャンプに行って薪を燃やしたり、炊事をするのは楽しいでしょう」と言うことができた。でも、最近はこの例えすら通用しなくなってきました。体を使う喜びを共感できないんですね。

 養老:そういう人は「一生楽できればいい」と本気で思っているのでしょうか。そんな人生、少しも面白くない。

 甲野:人間は動物ですから、もし「動くな」と言われると、辛くて仕方がないはずですけどね。

 養老:「欲しいものは何でもあげるから、ずっとこの部屋にいなさい」と閉じこめれば、少しはわかるかもしれない(笑)。
 今の人は頭で考えた自分が本当の自分だと思っていて、個体としての自分を見失っているんです。私は、良く若い人に「ここに座っているお前しか、お前はいないんだから」と言います。「将来社長になる自分お前なんかいない。途中で死んだらどうするんだ」と。
 現代人が、自然そのものである体を失っています。最近、とくに根本的な価値観があらゆる場面でおかしくなっているのは、そのせいでしょう。」

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posted by Fukutake at 08:51| 日記