2019年04月08日

謙虚に

「徒然草 第二百三十三段」

 「何事につけても欠点をなくすようにしたいと思うなら、何をするにも誠意をこめてやり、誰に対しても慎しみ深い態度をとり、口数を少なくするというのにまさることはあるまい。男女・老若を問わず、人はみなそういう人が最高に立派なのだが、とりわけ、年も若く容貌もすぐれている人で言葉づかいの端正なのは、いつまでも忘れがたく印象にとどまるものである。
 何事につけても現れてくる欠点は、手馴れた様子でいかにも巧者らしく振る舞い、自分として最高の地位を確保したというような傲慢な態度をとり、他人をまるで無能力者であるかのように、無視して軽蔑するところにあるのである。」

 (原文)
 「万(よろづ)の咎(とが)あらじと思はば、何事にもまことありて、人を分(わ)かず、うやうやしく、言葉少からんには如かじ。男女・老少、皆、さる人こそよけれども、殊に、若く、かたちのよき人の言(こと)うるわしきは、忘れ難く、思ひつかるるものなり。
 万の咎は、馴れたるさまに上手めき、所得たる気色して、人をないがしろにするにあり。」

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ひたすら誠実に謙虚に。
posted by Fukutake at 10:10| 日記